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その5:オーディオインタフェースについて

ここではオーディオ・インタフェースについて触れてみます。

オーディオインタフェースの必要性については楽曲の作り方やWindows/Macの違いでも事情が変わってくることもあり、その要否については人によって意見の分かれるところではあります。
要否はさておき、これを使う場合の機材の中での位置関係は下図のようになります。 音声の入出力をオーディオインタフェースで一元的に行うことになります。

画像:今時の音楽制作機材の構成図


オーディオインタフェースの形

90年代といえば MIDIシーケンスソフトがオーディオトラックを持ち始め、その動作が安定してきた頃だったでしょうか。
しかしながら、オーディオトラックはまだ補助的な使われ方が多く、アマチュアにとっては、コスト的にも多チャンネルのオーディオ I/O は望むべくもなかったと記憶しています。 そのため、パソコン内蔵のサウンドカード(オンボード・オーディオカード)よりは音質的には上であっても、入出力チャンネル数は少ないままのカードタイプのものを使うのが一般的だったように思います。

画像:digidesign Audiomedia と YAMAHA DS-2416


現在はUSB端子などに繋ぐ外付けのオーディオインタフェースが主流です。
サウンドキャンバスと同じようなサイズの据え置き型、ラックマウント型、簡単なミキサーとしての機能を併せ持ったものや、 逆に「卓」と言えそうなミキサーにオーディオインタフェースの機能を内蔵したものなどの様々な製品が売られています。

画像:いろいろなタイプのオーディオインタフェース


必要な入出力チャンネルの数

オーディオインタフェースを選ぶ場合、入力チャンネルと出力チャンネルはいくつ必要を考える必要があります。
DAWでは楽曲の楽器構成に応じて数十本のオーディオトラックを持つことも少なくありません。ここで重要なのはオーディオインタフェースの入出力チャンネル数とDAWのトラック数は関係ないということです。
入力チャンネルは同時に録音しうるチャンネル数(たとえばマイクを何本立てるか)だけあればOKです。DAWでどんなに多くのトラックを持とうが、たとえば一人多重録音の場合なら2チャンネルあれば十分な場合が多いと思います。
出力チャンネルはステレオミックスされた音声だけモニターすれば良いのであればこれも2チャンネルで賄えます。

画像:DAWのトラックとI/O数、この場合は 2in, 2outのオーディオインタフェースで OK



レイテンシー(音の遅れ)の問題

現在はソフトウェア化されたシンセサイザーやサンプラーを使うのが一般的です。そこでよく問題になるのがレイテンシー(音の遅延)です。
Windowsパソコンにおいて、MIDIキーボード・コントローラでソフトウェア音源をリアルタイム演奏で打ち込む場合は ASIO対応のオーディオインタフェースの利用を検討したほうが良いでしょう。 パソコンにあらかじめ内蔵するオーディオ機能の場合は鍵を押して音が出るまでのタイムラグは無視できないレベルだからです(例外はあるかもしれません)。
この問題はMIDIキーボード・コントローラとパソコンの間の高速化を図っても解消しません。DAWが音を出力する段階で発生する問題だからです。
ちなみに Mac の場合は内蔵オーディオ機能が優秀らしく、レイテンシーの問題は起きないと言われているようです。

画像:DAWのトラックとI/O数



WAVファイルの書き出しはオーディオインタフェースは関係ない

DAWにて最終的な作品づくりはWAVファイルなどのオーディオファイルを書き出す(エクスポート、レンダリング)事で行います。
このファイル化される音声は、一般的にはオーディオインタフェースを通らないので、オーディオインタフェースの性能は音質とは関係ありません。

画像:DAWのトラックとI/O数



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〔2021.4.4 新規掲載、2021.4.4 最終更新〕